こんにちは、あきらん(@akilans)です。
我慢しきれなくて購入に踏み切った「HHKB Professional HYBRID Type-S 英語配列」についてレビュー記事を書かせて頂きます。
購入した理由は至って単純で、今年もコロナ禍の影響を受け、在宅することが増えると思ったからです。実は同じように考える人は多くいらっしゃるようで、最近、何かと話題のHHKBです。
販売元のPFUさんが2020年12月11日に行なった、ユーザーミートアップ VOL.4の中で担当者さんもお話されておりましたが、製品そのもの以外にも注目されている理由があります。
ポイント
①コロナ化で在宅作業する人が急増した
②各種Amazonセールのタイミングが牽引した
③マツコの知らない世界で紹介された
④公式Twitterアカウントがバズった
本記事では、そもそもHHKBの種類の違いから、私の主な使用用途、HHKBを選択するに至った思い、メリットやデメリット等にフォーカスしてお話できればと考えています。
HHKBの種類
さて、まず、現在販売されているHHKBの種類は大きく3種類となります。
オプションの選択肢
大きく3つの製品がありますが、その中でもいくつかの選択肢があります。
①配列が「日本語配列」か「英語配列」か(※)。
②キー刻印が「されている」か「されていない(無刻印)」か。
③色が「墨」か「白」か。
※…Professional Classicは「英字配列」のみとなります。
配列と色は好みで決定しても良いと思います。しかしながら、キー刻印に関しては慎重に選択されたほうが良いと考えています。
Professional HYBRID Type-S
お値段、税込み32,000円。
特徴としては、BluetoothとUSB接続(Type-C)に対応したハイブリッド設計であり、「Type-S」とあるように、Speed(高速タイピング性)とSilent(静音性)を兼ね備えたモデルです。
2021年1月現在、フラグシップモデルに当たります。
Professional HYBRID
お値段、税込み27,500円。
こちらの特徴も上記同様、BluetoothとUSB接続(Type-C)に対応したハイブリッド設計ですが、高速タイピング性と静音性は兼ね備えていません。
キーボードからの音量が気にならないということであれば、金額と天秤にかけた上で、こちらを選択されてもよいかもしれません。
Professional Classic
お値段、税込み23,000円。
お値段もだいぶ手の届きやすいところまできましたが、こちらの製品はBluetooth接続ができず、USB接続(Type-C)に限った製品となっています。
また、日本語配列が存在しないので注意が必要です。
一昔前のHHKBは全て有線タイプで、かつ高速タイピング性や静音性というものがなかった事実を考えると、かなりお買い得な製品です。
私の使い方・使用用途
さて、それでは少し、私の話をさせて頂きます。
実は私、10年ほど前にもHHKBのLite2とProfessional2を使用していました。
なぜ一度手放したのか
当時、手放した理由については、明確に覚えています。まず、Lite2はカチャカチャとしたタイピング時の軽い音が苦手だったため、上位モデルに買い替えました。
そして手に入れたProfessional 2ですが、次の3つの理由で手放しました。
①他の人がタイピングできない
②アルファベット以外のブラインドタッチが難しい
③ファンクションキーが独立しておらず、ホットキーが使いづらかった。
①②は無刻印モデルのため、③はWindowsでゲームをしていたためです。
ただ、その打鍵感と心地よさは今になっても忘れられませんでした。
無刻印モデルは要注意
前回の失敗を踏まえ、今回は、墨のキー刻印モデルを購入しました。
無刻印モデルってめちゃめちゃかっこいいんです。
完全に見た目に全振りしています。
その憧れに苛まれ、前回購入をしたわけなんですが、上でも書いた通り、どれだけブラインドタッチができる人でもよく考えられることをオススメします。
ただし、刻印あり・無刻印のキートップはそれぞれ別売りされており、誤った選択をしても取り返しがつきますので、ご安心ください。
ちなみに余談ですが、キートップを外して清掃することもあるため、私はこのキーリムーバーを購入しましたので、合わせて紹介させて頂きます笑
それではもう少し掘り下げて無刻印モデルに注意したい大きなポイントを2つあげます。
HHKBであるということ
まず、HHKBが故に難しいという理由です。
HHKBは特殊な配列をしていて、かつFnキーと同時押しすることにより、様々なキーの代わりをしてくれます。
それ故、他のキーボードでバリバリとブラインドタッチが出来ていたとしても、HHKBを触るのが初めての人であれば、いきなり使いこなすのはかなり至難の業だと考えます。
逆に、無刻印モデルを使っている方は本当にHHKBが好きな人なんだと確信できます。いつかはそうなりたいとも思います。
全てのキーをブラインドタッチするのは無理があるということ
私もHHKBを使う前まででも、それなりにブラインドタッチが出来たのですが、ブラインドタッチで入力しているのはアルファベットのキーだけだと言うことに気づきました。
つまり、記号や数字を入力する際には無意識にキーボードへ目線を送っていたのです。
これは実際に無刻印を使い始めてから気づきました。
主な使用用途
普段のお仕事がメインです。といってもテレワークの時に使用する形なのですが、意外と文字を入力する機会って多いんですよね。
メールを打ったり、資料を作成したり、時にはプログラミングもやります。
また、プライベートに目を向けてみても、ブログを書いたり、noteを書いたり、Twitterをしたり、大半のことでキーボードと触れ合います。
触れ合う頻度でいうと、スマホと同レベル、いや、もしかしたらそれ以上かもしれません。
メリット
さて、次にこのキーボードのメリットについてご紹介していきます。
静電容量無接点方式で楽しく文字入力ができる
よく言われる「スコスコスコスコ…」と、大変気持ちよく文字入力を行うことが出来ます。例に上げられることも多いですが、本当に打楽器を叩いているような感覚になってきます。
また、たくさんの文字を入力していても、指が疲れないのも特徴の一つですね。
特殊な配列で合理的な入力ができる
キー配列は自分で好きなように設定することができますし、また、キーボード本体にその内容が保存されるため、まさに自分色に染め上げることが出来ます。
ただ、このキーボード、「合理的なキー配列」が特徴なのですが、類を見ない特殊さがあります。
当然のことではありますが、MacとWindowsでも当然使用するキーは異なりますので、キーアサインのフリーソフトや、キーマップ変更ツールによって、一工夫が必要であることは否めません。
Fnキーありきのキー配列
このキーボードが小型化できた理由でもありますが、F1キーからF12キーが独立したキーではありません。【「数字の1〜0、および「ー」キー、「=」キー】と【「Fn」キー】を組み合わせて押下することでその役割を発揮します。
また、それだけでなく、矢印キーについても、Fnキーと同時押しすることにより機能します。
これもいわゆる「合理的な配列」の一つではありますが、HHKBを使用したことのない方に関しては、注意すべきポイントだと考えます。
Controlキーの位置が特殊
通常、Controlキーはキーボードの最下段に位置しますが、HHKBのControlキーはアルファベット「A」の左隣(通常でいくとCapsLockの位置)にあります。
これがHHKBだと言わんばかりのキー配列です。
これもキーマップ変更ツールなどを使うことによって、好きなキーを割り当てることができますので、非常に便利です。
傾き調整ができる
キーボードの左右についている脚を出すことによって、傾きを調整することが出来ます。3段階まで変更可能です。
私も使いこなせてはいませんが、これは使いながら徐々に自分に合った角度を見つけるしかないかなと思っています。
USキー配列で文字が入力できる
私は昔からUSキーボードを使用しているので、使いやすいのもあるかもしれませんが、やはりUSキー配列は最高だと思うのです。
その理由を明確にします。
Enter・Returnキーがスマート
エンターキーが六角形ではなく、普通の小さめの長方形です。
一度使うと、このスマートさに惚れてしまいます。
普段、お仕事で使っているのがWindowsノートなので、そのままパソコンに付随しているキーボードを使用するとその恩恵に預かれないので、HHKBを使えることが本当に嬉しいです。
スペースキーが押しやすい
スペースキーもJIS配列とは異なります。
JIS配列と比べると、USキー配列のスペースキーは横に広いキーとなっています。
変換する時にガシガシ押せますし、Macで使う時に全角・半角変換がスマートにできるので重宝します。
キーに「ひらがな」が書かれていない
JIS配列のキーボードは、キー一つ一つにひらがなが書かれています。
しかし、US配列のキーボードはひらがなが書かれていません。
完全に見た目の問題ですが、やはり見てても、とても美しいです。
Bluetooth接続ができる
複数のパソコンを触る場合、どうしてもキーボードが複数あると邪魔になってしまいます。
HHKBは全部で4台までBluetooth接続を保存しておけます。そして、それらの切替も、Fnキー、Controlキー、数字キーのみで変更することができます。これはスマート。
私の場合、下記のように設定しています。
HHKBのBluetooth設定の割当
①プライベートで使用するMacbookPro
②仕事で使用するWindowsノートパソコン
③プライベートで使用するiPad
④プライベートで使用するiPhone
乾電池で運用できる
HHKBは充電式ではなく単3乾電池2本で動きます。
これについてはデメリットと言われる方もいるかも知れません。
ですが、私にとっては、バッテリーのヘタりが原因で使えなくなるということは残念でしかないので、この仕様のままが良いと考えています。
いざという時、コンビニでも買えるのは大きいところです。
デメリット
反対に、デメリットとなりうる要素についてご紹介していきます。
このキーボードしか使えなくなる
先程も申し上げたとおり、スコスコスコと気持ちの良い打楽器のような打鍵感と、実用面での特殊配列があるため、他のキーボードが使い辛くなるという問題がでます。
こうして、ヘビーユーザはHHKBの2台目、3台目へと足を進めると伺っています。
それだけこのキーボードが特殊であるということです。
長時間使用で手首が痛くなる
こればっかりは実際に使ってみないとわかりません。
一つ確実に言えることは、HHKBは手前側の斜面に少し高い段差があります。それ故、キーを打ち込む際に、どうしても手の付け根を浮かせて打たざるを得なくなってしまいます。
手の付け根を浮かせることで、腕自体がだるくなることもそうなのですが、それ以上に正しいキータッチが出来ない可能性が出来てきます。
また、個人差はもちろんありますが、手首を机につけたらつけたで、今度は手首の角度がキツくなり、長時間使用すると辛いです。
それを解決するのが「パームレスト」とか「リストレスト」とかいうアイテムです。
PFUさん公認のバード電子さんのパームレストが在庫切れだった為、私はエレコム社製のCONFYを使用していました。
その後、ウォールナットの在庫が復活したので、すぐさま購入して使用していますが、ほんともう最高です!!
価格が高い
フラッグシップモデルで35200円。
キーボードにこの値段を払えるかどうかです。
それでも手にする価値があると思ったので、私は購入しました。
一歩踏み出す勇気が必要なことは否めません。
持ち出すハードルが少し高い
どうしてもキーボードが小さいとはいえ、されどキーボードであり、嵩張ります。よって、ノートパソコンやiPadと一緒に持ち出すというのは少々ハードルが高いです。
もし、HHKBがないと生きられない体になってしまった場合は、ケース等も検討されるとよりハッピーなHHKB生活を送れるのではないかと思います。
キーストロークが深い
これはある意味、メリットだという見方もできますが、MacBookのキーボード等を使っておられる方には少々慣れが必要かもしれません。
実際、HHKBが触れるお店が限られていますので、もし触れないよって方は、参考程度に、同じ静電容量無節点方式を使っているRealForceのキーボードをお店などで探して触ってもらえればイメージがつくかと思います。
まとめ
これらを踏まえて、私はこのHHKBを全力でお薦めします。
唯一無二のキーボード
唯一無二という単語が好きな方って一定数いらっしゃると思うんですが、私もその一人です。長くて自分の手に馴染む感覚を味わえるキーボードです。
よく高い万年筆は一生ものと言われますが、このキーボードもその例外にはならないと考えています。万年筆に同じ値段を払うのであれば、HHKBを買います。
スピードより熱量
静電容量無節点方式の恩恵を受けて、人によっては打鍵速度が上がるかと思います。
しかしながら、それ以上に私がポイントとしたいのは「打鍵する時に気分が高揚する」ということです。スコスコスコという気持ちの良い打鍵は、たとえゆっくりしたタイピングであっても、気持ちが良いです。いつまでも無駄に打っていたくなります。
また、私はその音をもっとストレスなく楽しみたいと思い、ミスタッチせず、正確にスピード感をもって打鍵できるよう、今更、改めて訓練することにしました。
割と打てるようになってきた
お手軽3,000円コース【普通】で、10000人中『 512位 』でした。
(スコア:5,820円、速度:4.3key/秒、ミス:2key)
https://t.co/ky3otBJOlM #寿司打— あきらん (@akilans) January 7, 2021
不思議なんですが、寿司打をやっていると、本当に時間が溶けますので注意です。
馬の鞍のエピソード
HHKBの購入を少しでも検討したことのある人は、すでにご覧になったことがあるかもしれませんが、公式動画の中のメッセージをご紹介して締めくくりたいと思います。
馬が死ぬと馬はそこに残していくが
どんなに砂漠を歩こうとも
鞍は自分で担いで往く
馬は消耗品であり
鞍は自分の体に馴染んだインタフェースだからだ
いまやパソコンは消耗品であり
キーボードは大切な
生涯使えるインタフェースであることを
忘れてはいけない
東京大学 名誉教授 和田英一