梅雨の彩りを切り取る「三渓園」の美

こんにちは、あきらん(@akilans)です。

梅雨も、まもなく終わろうとしています。例年であれば、ジメジメした梅雨から夏にかけては、あまり外出することもなく、紫陽花を撮影したら満足してしまうのですが、今年は違います。

感染症の拡大に不安な日々を送る昨今、例の自粛生活の反動か、無性に何かを撮りたくて仕方がありません。

この日の天候は、曇りのち雨。

そんな梅雨のイメージを追求しようと向かったのは、神奈川県にある「三渓園」です。

三渓園の概要

三渓園は、実業家である原 三溪によって1906(明治39)年に公開された重要文化財にも指定された建物がある庭園です。

場所は神奈川県の大黒埠頭の近くです。

電車でアクセスすると、もれなくバスを利用することになるので、今回はクルマで向かいました。しかし、駐車場が分かりにくく、住宅街の中にあるので、注意が必要です。

梅雨の彩

さて、本来であれば、三重塔をはじめとする建築物や、入口近くにある池などを載せるべきなのですが、個人的に趣深かった場所をピックアップしてお届けします。

写真はLightroom ClassicでRAW現像しています。

まず1枚目。

立ち入り禁止となっていましたが、庭園を周回するであろう道です。ところどころアスファルトから緑色の生命力の高い草が時の経過を感じさせます。奥にはちょうど、曇りながらも光が差しており、バランス良く撮れた気がします。

その横側に目をやると、古びた建物がありました。

こちらも立ち入り禁止となっていましたが、建物の前には、まだ色鮮やかな紫陽花がありました。建物は何年も前からこの地に立っているようでしたが、毎年花をつける紫陽花の目新しさを一つの対比として撮影しました。

庭園といえば、石造りの置物ですよね。

ジメジメとした木々の間にありました。石の右側には苔が生えており、時の流れと、いきいきした活力を感じます。

少し進むと、竹に囲まれた建物が見えてきました。

手前の緑と、奥の竹を意識して撮影しました。タイムスリップしたかのような感覚を覚えつつ。

その脇道から丘を登ります。

先ほど見た家かは定かではありませんが、いずれも、緑の中に佇んでいます。静かで、時折、虫やカエルが鳴いています。

青々とした紫陽花がありました。

真ん中に大きい紫陽花。下側に3つの紫陽花。まるで親子のようです。

さらに進むと、茅葺き屋根の建物があり、中に入ってみることにしました。中に入ると、日本人で良かったなと思える景色が広がっていました。

侘び寂びとはなんなのか。小さい頃から今まで、よくわからないままに過ごしてきましたが、写真を通じて、少しずつ、その答えに近づけているのではないか。そんな錯覚を感じてしまいます。

淡い色、薄暗い壁紙、ちらりと彩る花たち。最近はマシンガンのようにシャッターを切る私も、ゆったりした気持ちで、一枚一枚、大事にシャッターを切ります。

これまで主役しか撮ってこなかったなと、自粛期間で見つめ直し、空気を撮る術を身につけたいと、強く願っていました。

道はまだまだ険しいですが、自分の撮りたいと思ったイメージに近づけているような気がします。夏が待ち遠しいですね。

写真を撮らなければ、見過ごす光景もあります。

ハートの葉っぱに愛される石のように見えて、微笑ましくなりました。

最後になりますが、三渓園に来て、私が一番感動したのは、大きな池でも、茅葺き屋根の家でも、自然豊かな木々たちでもありません。

ある建築物の裏に、ひっそりと当時のまま残された煉瓦造りの「ボイラー室」です。

雨で溜まった水。


レンガから飛び出した植物。


ジメジメとした空気。


人工物を侵食する力。

まるで、猿島に居るみたいな雰囲気を醸し出していました。

さいごに

三渓園に来る人の多くは、庭園を見て、ベンチに腰掛け、ゆったり散歩するという人が大半だと思います。

現在は、蓮の花が咲き始めており、それを目当てに、数名、カメラを抱える方々を見ましたが、ボイラー室にテンション上げてる人は他にはいませんでした。たぶん、なんの紹介にもなっていないと思いますが、私がいいなと思った空気を写真にしてご紹介しました。また、違う季節に来てみたいと思いました(秋とかすごく良さそう)。

少し交通の便は悪いのですが、大都会の中にある、自然豊かな庭園でした。

お近くにお越しの際は是非!